コメダはもちろん好きだけど、たまにチェーン店とかではない街の喫茶店になんとなく入りたくなるときがある。今日はそんな日だった。
ちなみにスターバックスのことは喫茶店だとは思っていないし、店の雰囲気と客層に対する偏見やアレルギーが強すぎて入店すらできない。こう記しておけば、俺の捻じ曲がった人となりはおおよそ理解していただけるのではないだろうか。
まあそんなスタバに入れない話はどうでもよくて、今日は入ったことのなかった近所の喫茶店に行ってみた。
店内はカウンター席がいくつかと4人掛けのテーブルが6つほど。いわゆる漫画喫茶やフリースペースに近い店で、店内は所狭しと本棚が並び、本棚の上にはテーブルゲームのセットや大判のビジネス書などが少し居心地悪そうに積まれていた。
奥のテーブル席では他の客がオセロやUNOで遊んでいるのが見えた。店主に言えば自由に貸してくれるようだ。
少し遅めの昼食にしようと思い、カレーを注文。写真映えする盛り付けでありながら、味は家庭的な親しみやすいもので、「そうそう、こういうのがいいんだよ。」と言いたくなった。
この店は客と店員の境目がかなり曖昧なことも特徴的だった。ある客は常連なのだろうか、入店するなり「ただいま〜」と言っていてアルバイトと判別がつかなかったし、俺がカレーを食べ終わる頃にはキッチンを担当していた人が奥の席の客のUNOに混じっていたし、店主の男性は初対面の客である俺に対してタメ口だった。
…文面に起こすとひどい店のように読み取れてしまうが、むしろ過ごしやすくて良い店だと感じた。
何もかもシステマチックに作られたお店に入ると、自分も客という役割を全うして店の秩序を守らなければならない。例えば注文がタッチパネルなら操作しなければならないし、次の客やお店のことを考えてさっさと出るべきかと無意識のうちに忖度をしている。
でもこの店はそのあたりがテキトーだ。だからこっちもテキトーで良い。
結局、1人で店に入ってカレーとコーヒーだけで2時間近く居座った。普段ならこんなことは絶対にしない。
居心地が良かったのでまた行ってみようかな、とも思ったし、今度はまだ読めていない本でも持ち込んで、イコライザーのマッコールさんみたいなことしてもいいかな…とかろくでもないことを考えていた。